介護保険の事業者向けの業務処理システム『ゆう!ケア』

サービスごとの報酬・基準について

社会保障審議会介護給付費分科会で検討されている、サービスごとの報酬・基準の見直しの内容です。

口腔関係

  1. 口腔衛生管理加算の見直し
    • ①歯科衛生士が、口腔ケアを月2回以上行った場合
    • ②歯科衛生士が、口腔ケアについて、介護職員に対し、具体的な技術的助言及び指導を行った場合
    • ③歯科衛生士が、口腔に関し、介護職員からの相談等に必要に応じ対応した場合
  2. 口腔衛生管理体制加算を算定できるサービスの追加
    • ①認知症対応型共同生活介護(介護予防含む)
    • ②特定施設入居者生活介護(介護予防含む)
    • ③地域密着型特定施設入居者生活介護

栄養関係

  1. 管理栄養士の兼務規定
    • 栄養マネジメント加算の管理栄養士について、同一敷地内に併設する介護保険施設については、1施設に限り兼務を認める
    • 低栄養リスクの高い入所者への重点的な栄養管理
        低栄養リスクが高い入所者に対して、栄養ケア計画を作成し、栄養管理を行った場合に、新たに評価する
  2. 入所者が医療機関に入院し、再入所後の栄養管理について医療機関の管理栄養士と相談して栄養ケア計画を作成し、再入所した場合に評価
  3. 療養食加算の算定を1食単位で評価
  4. 外部の管理栄養士と連携して、栄養ケア計画を作成し、定期的な評価を行うことについて、評価
  5. 定期的に栄養スクリーニングを行い、栄養状態に係る情報を介護支援専門員に文書で共有した場合に評価
    通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護

介護サービスの質の評価・自立支援に向けた事業者へのインセンティブ

  1. 褥瘡の発生予防のための管理
    • 介護老人福祉施設、介護老人保健施設で、新たに評価
      ①入所者全員に対する要件
      入所者ごとの褥瘡発生に係るリスクについて、モニタリング指標を用いて、施設入所時、3月に1回、評価を行い、結果を提出
      ②①の評価の結果、リスクありとされた入所者ごとに褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成すること。
    • 褥瘡ケア計画に基づき、入所者ごとに褥瘡管理を実施すること。
    • ①の評価に基づき、少なくとも3月に1回、褥瘡ケア計画を見直すこと。
  2. 排泄にかかる機能を向上
    介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院において、排泄に介護を要する利用者(※1)のうち、排泄にかかる要介護状態を軽減できると判断された場合、原因の分析、結果を踏まえた支援計画の作成、実施をすることについて、評価
  3. 通所介護における心身機能の維持に係るアウトカム評価
    期間内にADLの維持又は改善が一定以上だった場合、当該事業所における通所介護サービスを一定期間、高く評価
    ※評価指標として広く用いられているBarthel Indexによる評価を想定

共生型サービス

  1. 対象サービス
    ①共生型デイサービス(共生型通所介護)
    ②共生型ホームヘルプサービス(共生型訪問介護)
    ③共生型ショートステイ(共生型短期入所生活介護)
  2. Ⅰ 指定障害福祉事業所が、介護保険サービスの基準を満たす場合
      ※現在も事実上の共生型サービスとして運営可能
    Ⅱ 指定障害福祉事業所が、介護保険サービスの基準を満たせない場合
       Ⅱ-1障害福祉事業所の基準を満たし、介護サービスの質や専門性に一定程度対応する場合
       Ⅱ-2:障害福祉事業所の基準のみ満たす場合
  3. Ⅱ-1、Ⅱ-2いずれも、人員・設備面で新たな規制を求めずに、共生型の指定を受けられる
      Ⅱ-1については、サービスの質や専門性に対応した資格職を配置している場合を評価
  4. 報酬単位の設定
     Ⅱ-2に関しては、本来報酬単価と区別、概ね障害報酬の水準を担保する
     Ⅱ-1に関しては、Ⅱ-2に加えて、サービスの質や専門性を評価する加算を設定
  5. 共生型デイサービス
    基本報酬(Ⅱ-2)
     ① 本来的な介護保険事業所の基準を満たしていないため、本来報酬単価と区別
     ② 概ね障害報酬の水準を担保する必要
    (Ⅱ-1) 生活相談員(社会福祉士等)を配置する場合に評価する加算を設定
    通所介護事業所に係る加算は、通常の指定サービスと同様に、各加算の算定要件を満たした場合に算定できる
  6. 共生型ホームヘルプサービス
     3級ヘルパー、重訪研修修了者についてもサービス提供を認める
     ただし、これらのヘルパーがサービス提供できるのは、当該事業所を利用していた高齢障害者に限る
    基本報酬(Ⅱ-2)
     ① 本来的な介護保険事業所の基準を満たしていないため、本来報酬単価と区別
     ② 障害報酬の水準を担保する必要
      ただし、障害の居宅介護の報酬は、介護と同じであるため、共生型訪問介護については、訪問介護と同様の単価
      3級ヘルパー等がサービス提供する場合については、障害における取扱いも踏まえて設定
      (※障害では、3級ヘルパーは3割減算)
    訪問介護事業所に係る加算は、各加算の算定要件を満たした場合に算定
  7. 共生型ショートステイ
    単独型は、介護と比較して相当程度基準が緩いことから、共生型の対象とはせず、併設・空床型のみ対象
    基本報酬(Ⅱ-2)
     ① 本来的な介護保険事業所の基準を満たしていないため、本来報酬単価と区別
     ② 概ね障害報酬の水準を担保する必要
     加えて、生活相談員(社会福祉士等)を配置する場合に評価する加算を設定(Ⅱ-1)
     また、短期入所生活介護事業所に係る加算は、各加算の算定要件を満たした場合に算定

その他の事項

  1. 集合住宅に係る減算と区分支給限度基準額
    集合住宅に係る減算については区分支給限度基準額の対象外とする
     ※訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、夜間対応型訪問介護定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  2. 訪問看護
    ガイドラインに基づくICTを利用したターミナル時の情報提供を、介護報酬で評価する。
  3. 認知症対応型共同生活介護
    理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が認知症グループホームを訪問して認知症対応型共同生活介護計画を作成する場合について、
     ・身体状況等の評価(生活機能アセスメント)を共同して行うこと
     ・生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画を作成すること
    等を評価

介護人材関係

  1. 介護ロボット
    ・見守り機器
    介護老人福祉施設における夜勤職員配置加算について、以下の要件を満たし、夜勤職員の数が最低基準を0.9人以上上回って配置した場合にも算定
     ・ 見守り機器を入所者数の15%以上に設置
     ・ 見守り機器を活用するための委員会を設置、検討等が行われること
    ※ 短期入所生活介護も同様
  2. 機能訓練指導員
    ・機能訓練指導員の対象資格にはり師及びきゅう師を追加
  3. 介護職員処遇改善加算
    ・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)については、一定の経過措置を設けた上で廃止(1年?)

 

(第153回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成29年11月29日)より) 

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